なんだろう?なぜだろう?
おしえて 埋蔵文化財 その13
これはなんだろう?何をつくっていたのかな?
大きさは,長さ約2.5cm 幅約2.0cm
ほぼ実物大です
これをなにかにつけて使ったよ。
こたえ:縄文時代(じょうもんじだい)の石鏃(せきぞく・石のやじり)です。
上の写真は,今から九千年~六千年前のもので,東広島(ひがしひろしま)市の平木池(ひらぎいけ)遺跡で見つかりました。
石鏃は,矢の先端につけてイノシシなどの動物を狩るために使うもので,全国各地で見つかり,縄文時代にはなくてはならない道具の一つでした。
それでは,なぜ石鏃を縄文時代の人々が必要としていたのでしょうか?
それは,逃げる動物を安全に多く捕まえることができるからです。縄文時代の人々は,まず動物を突いてたおす「槍」(やり)を,そののち投げる「槍」を使いました。しかし,それでは動物との距離が近く,人々はけがをしたり,命をおとす危険がありました。はねる力を利用して矢をとばす弓矢は,危険が少なく命中率も高いため,きわめて有効な道具だったのです。
縄文時代の人々は「生きる」ために,さまざまな道具を使います。その際,工夫を重ね,その技術を学び,次世代へと受け継いでいきました。
わたしたちは,遺物(いぶつ)として見つかった石鏃をとおして縄文時代の人々の「生きる力」を感じることができます。
弓矢を使った狩の想像図
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