なんだろう?なぜだろう?

おしえて 埋蔵文化財(まいぞうぶんかざい) その10
発掘調査には,どんな道具が必要なの?(パート2)

 前回は遺跡の土を掘り下げるのに必要な道具でした。
 今回,紹介するのは,出てきた遺構や遺物を正確に記録するために必要な道具です。その道具の名称と,その使い方を見てみましょう。

   
@平板測量器具
遺構などの平面図を作成したりするのに使います。
Aポール
平板測量の基準とか,写真撮影のときのスケール表示などに使います。
  Bピンポール
遺構の断面を測量する際の基準点やものを留めたりするのに使います。
  C巻尺
長さを測ります。測量する際の必需品です。
   
D水糸
測量するときの基準線などに使います。
  E錘球
高低差があるところでの水平距離を測るのに使います。
  Fコンベックス
巻尺をコンパクトにしたもので,小範囲の測量に便利です。
       
Gレベルとスタッフ
遺跡や遺構などの高さを測るのに使います。
       

ここまでは,記録するために必要なものといえます。

ここからは,資料として記録・保存するために必要なものといえます。


   
H画板と方眼紙
現場で遺構や遺物などを図面に描くとき,四角いマス目を印刷した紙(方眼紙)を板(画板)のうえにのせて書きます。
  I野帳
遺跡に関するあらゆることを記録し,メモしておくための調査担当者にとって必須のノートです。小さくポケットに入る大きさです。
  Jカメラ
遺跡の環境や遺構・遺物などを記録しておくために使います。
       
Kコンテナ
出土遺物を整理・収納するのに使います。
       

もちろん,このほか記録するための鉛筆・消しゴムなどの文具や写真フィルムなどが必要なことは言うまでもありません。
発掘調査は一度行うと,二度と元の状態に戻すことはできません。遺跡はその地域に生きた人々の暮らしを示す尊い資料であり,歴史解明のための貴重な遺産です。それらを正確に記録として残すために必要な発掘用具は,調査の第一線で活躍する隠れた主役ともいえます。