なんだろう?なぜだろう?

おしえて 埋蔵文化財(まいぞうぶんかざい) その9
発掘調査には,どんな道具が必要なの?

 発掘調査を行うとき,これだけはどうしても用意しておかなければならないものがあります。
 ここでは遺跡の調査範囲の設定,地面の掘り下げ,遺構の検出,出土遺物の取り上げに必要な道具の名称と,その使い方を見てみましょう。

   
@軍手
発掘調査は危険を伴う作業であり,軍手の着用は欠かせません。
  Aトランシット
調査区を設定するとき,角度や距離を測るのに使用する器械です。
  B木杭
調査区の目印や基準点として使われます。
C掛矢
木杭を打ち込むための槌です。
   
D金槌と釘
トランシットによる測量点として,木杭の上に釘を打ち込みます。
  Eシャベル
土を取り除くのに使います。
  Fバチグワ
スコップで掘ったあと,さらに土をはがすのに使います。
   
Gジョレン
発掘した面を平らにし,遺構面を確認するのに使います。
  H鎌
遺跡内の草の除去に使います。
  I一輪車
掘り出した土を運ぶのに使います。

ここまでは,土木作業に必要な道具といえます。

ここからは,比較的細かな作業に用いるものです。


   
J移植ごて
遺構が確認できると,そのあと慎重に掘り進めていくのに使います。
  K竹べら
さらに丁寧に掘り進めたり,遺物が出てきたりしたときに使います。
  L箕
ジョレンや移植ごてで出てきた土を集めるのに使います。
   
Mステーキホウ
遺構面の土を薄く削り取るのに使います。
  N手ぼうき
遺構や遺物の上にかぶった土などを取り除くのに使います。
  O竹串
遺物の出土地点の目印に立てたりします。
   
Pポリ袋
出土遺物を収納するときに使います。
  Q荷札
遺物をポリ袋に入れるとき,出土地点などを記録しておくために使います。
 

このほかにも必要に応じて,私たちの身近にあるさまざまな道具,たとえばたわし,ひしゃく,おたま,スポンジなどの台所用具が使われます。
次回に続きます。