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なんだろう?なぜだろう?

なんだろう?なぜだろう?

おしえて 埋蔵文化財 その13

むかしの人は亡くなったときどんなお墓に葬られていたのでしょう?

今でこそ人が亡くなると,死者の遺骸は火葬(遺骸を火で焼く葬法)に付されるのがほとんどですが,古くは火葬よりも土葬(土中に遺骸を埋葬する葬法)の方が一般的に行われていました。

 ここでは弥生時代の土葬によるお墓の形態を,168基ものお墓が見つかった東広島市の西本6号遺跡の調査事例のなかから見てみましょう。

まずは,地面に掘った穴に,棺に入れた遺骸を直接埋葬したお墓です。

  • 【木棺墓】
    遺骨を木の棺に入れて埋葬したお墓です。

  • 【土器棺墓】
    土器のなかに遺骸を納めて埋葬したお墓です。
次に,もう少し複雑な構造のお墓です。
【箱式石棺墓】
板状の石材を箱形に組んで,石で蓋をしたお墓です。
【土器蓋土坑墓】
地面に掘った穴に遺骸を埋葬し,その上に壺や甕などの土器を割って被せたお墓です。
【小口配石土抗墓】
短辺である小口部分に,木板のかわりに石が置かれたお墓です。
【石蓋土坑墓】
石棺を簡略化したもので,二段に掘り込んだ素掘りの穴に,板状の石で蓋をしたお墓です。

このように発掘調査によって,さまざまなお墓の形態が明らかになりました。昔の人たちは,命の尊さとともに,埋葬の方法や副葬品などをとおして,現代に生きる私たちに多くのことを教えてくれているのです。

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