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むかしライフ研究室

第4回研究テーマドキドキ!土器づくり

【土器ってなんだろう?】

    ここでは,広島県でたくさん見つかる弥生土器のお話をしましょう。

    まずは,かたち。どんなかたちがあるのかな?


  • 西本3・4号遺跡
    (東広島市高屋町)出土

  • 西本3・4号遺跡
    (東広島市高屋町)出土

  • 西本6号遺跡
    東広島市高屋町)出土

    左)甕(かめ)…広い口をもった,卵を立てたようなかたち。おもに煮炊きに使います。

    中)壺(つぼ)…くびがすぼみ,胴のふくれたかたち。食料を貯蔵するために使います。

    右)高杯(たかつき)…今の皿よりもやや深いうつわ(杯)に脚がついている。

        食べ物を盛りつけるために使います。

弥生土器を作ってみよう!

    1.粘土作り

    採集してきた粘土は外でよく干して乾燥したあと細かくくだきます。乾燥の段階でゆがみやひびがはいる場合があるので,砂を混ぜます。弥生時代の人々は粘土にあわせた砂の混合率を考えていました。


    2.粘土ねり

    細かくくだいた粘土は,水を加えてねりあげます。これは,土の中に残った空気の泡を抜くとともに,ねばりけをだす役目があります。ねりあげた粘土は乾燥しないようにして暗く涼しい場所にねかせます。


    3.形作り

    まず粘土で厚さ1cm~1.5cmほどの円盤にし,底を作り,底の上に粘土ひもを積み上げていきます。粘土ひもの太さは1cm~1.5cmくらいで,できるだけ同じ太さにします。これは,でき上がる土器の厚さを均一にするためです。次に粘土ひもどうしのすきまを丹念につぶしてよく接着させます。土器の内側のすきまもしっかり接着させます。だいたい形ができたら,凹凸がなくなるように,へらなどで丁寧に調整します。


    4.文様づけ

    木や竹でつくったへら・櫛(くし)などを使って文様を描きます。

    5.陰干し

    日陰で直接風の当たらないところで,ゆっくりと乾くように陰干しします。

    6.磨(みが)き

    乾燥が進むと水分が抜けて,土器の表面がざらざらになり,小さなすきまなどができるため,へらや布・皮等を使って磨き,水もれを防ぐようにします。また,磨きによって,表面を美しく仕上げる場合もあるようです。

    7.焼く

    水分を完全に取り除いたあと,土器を焼く前に約30cmほどの浅い穴を掘って薪(まき)を燃やし,約30分くらい空焚(からだ)きをして,地中の水分を抜きます。

    次に穴をうめ平らにし,土器を一つずつ置いていきます。そしてわらを均一にのせ,約15分で,土器が赤くなっていきます。

    わらの表面が全体的に白い灰になってくると,土器が焼きあがるころです。灰を取り除き,土器を取り出します。このとき,土器はとても熱いので,さわらずに土や砂の上に置き,ゆっくりと冷まします。

研究室からひとこと
  • 土器は男性・女性どちらが作ったのでしょう。具体的に証明するのはとても難しいですが,大阪府南部で,女性ならかろうじて手が入る細さの土器の内側に手を入れた痕跡が残っているものがあり,日常生活で使った弥生土器は女性が作ったと考えられています。

    弥生土器をじっくりみると,作った人の「うつわ」に対する思いが感じられます。

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